出題解説

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問22 夢の生成と意識

1が正解です。レム睡眠はひと晩に4~5回程度起こり、最後のものにはならないようなタイミングのレム睡眠の最中に起こしても、夢を見ていたという報告が得られやすいことから、複数回見られていると考えることができます。そういう実感がないのは、そのうち最後の、起床直前に見たもの以外は、後でエピソード記憶として想起することができないためでしょう。

2、『夢判断』の著者はFreud, S.です。Jung, C.G.はその出版後に親しくなり、国際精神分析学会の初代会長となりましたが、数年で離反しました。Jung, C.G.はむしろ、夢は抑圧されたものが検閲などで変形されたものではない、無意識のイメージのあらわれとして、そのメッセージ性を解釈しようとします。

3、活性化-合成仮説は、レム睡眠中もはたらく脳幹の活動に由来する実質的にランダムな信号が、大脳皮質を活性化させて断片的な感覚像をつくり、それらをつじつまを合わせて合成したものが夢の体験だと考えます。日中の記憶の整理を夢の原因とみるのは、ノーベル賞受賞者でもあるCrick, F.らによる逆学習説などの立場です。

4、明晰夢は、現実の体験ではなく夢として見ていることに、その場で気づいた状態で見ている夢です。睡眠段階としては浅い、レム睡眠の間に起こります。